生きていれば誰しもが一度は味わう合唱について、今現在人気のある外国作品について、合唱楽譜の販売を行っている「株式会社パナムジカ」が発表している過去10年間のランキングを参考に作成しました。参考動画も入れているので、演奏曲の選曲に悩んでいる方はご参考ください。
- 合唱界で人気のある合唱曲 TOP10(外国作品)
- 第10位:Messiah(作曲:Handel)
- 第9位:Northern Lights(作曲:Ola Gjeilo)
- 第8位:Motette 3 / Jesu, meine Freude BWV 227(作曲:Bach,J.S.)
- 第7位:Magnificat(作曲:RUTTER, John)
- 第6位:Missa in C K317(作曲:Mozart)
- 第5位:Ein Deutsches Requiem Op.45(作曲:Brahms)
- 第4位:A Little Jazz Mass(作曲:Chilcott)
- 第3位:An die Freude (From Symphnie Nr.9)(作曲:Beethoven)
- 第2位:A flower remembered[永遠の花](作曲:RUTTER, John)
- 第1位:Requiem K626(作曲:MOZART, W.A.)
- まとめ
合唱界で人気のある合唱曲 TOP10(外国作品)
第10位:Messiah(作曲:Handel)
「音楽の母」であるゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(Handel)の代表曲の一つである本作品。日本では『ハレルヤ』で有名ですが、本作品は3部構成となっておりますが、第2部の最後の曲が『ハレルヤ・コーラス』です。
ロンドンでの初演時に国王ジョージ2世が感極まって起立し、これがきっかけで聴衆が起立するという習慣が生まれたという逸話もあり、これは現在でもその文化は継承されております。
ハレルヤは「神を賛美せよ」という意味のヘブライ語です。「ハレル」が賛美せよ、「ヤ」が神の名ヤハウェーを表します。伝道師たちが伝えたキリスト教が世に広まり、主がこの世界を永遠に支配することを歌います。
その堂々とした格調のある音楽は、当時から今にいたるまで高い評価を受け続けています。
第9位:Northern Lights(作曲:Ola Gjeilo)
「Northern Lights」は日本語で「オーロラ」を意味しますが、本作品は作曲家のイェイロ(Ola Gjeilo)が2007年にノルウェーの首都オスロに滞在している時に見たオーロラの印象を表そうと作曲された美しい小品です。
歌詞は旧約聖書の「ソロモンの雅歌」ですが、まさに「歌の中の最高の歌」にふさわしい、美しくも格式高いメロディーが印象的です。
第8位:Motette 3 / Jesu, meine Freude BWV 227(作曲:Bach,J.S.)
言わずと知れた「音楽の父」であるヨハン・ゼバスティアン・バッハ(Bach,J.S)の作品です。1723年7月18日に執り行われた中央郵便局長ケース夫人の追悼礼拝のために作曲されたと考えられており、数曲しかないモテットの1曲です。
「音楽の父」という言葉があるせいか、小難しく、堅苦しいイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、一度、本作品に触れると、約300年間親しまれている理由が分かります。是非、先入観を持たずに本作品に接していただければと思います。
第7位:Magnificat(作曲:RUTTER, John)
本作品は、聖書の賛歌を音楽化し1990年に完成した作品です。7つの楽章からなり、「ソプラノまたはメゾソプラノの独唱、混声合唱、オーケストラ(または室内アンサンブル)のためのもの」となり、ラテン語の歌詞となります。
賛歌「マニフィカト」はカトリックや英国国教会の晩祷の定番ですが、美しい曲とドラマティックな曲とが存在し、大きな感動を与えてくれる作品となってます。
第6位:Missa in C K317(作曲:Mozart)
本作品は1779年3月23日に書き上げられ、同年の復活祭の祝日(4月4日)で初演されました。弱冠23歳で作られたとは驚きです…。
かつてはザルツブルクの北側の丘の上に建設された教会の聖母戴冠像のために作曲されたことから「戴冠式ミサ」の名称がつけられたとのことですが、1791年にプラハで行なわれたレオポルト2世の戴冠式でサリエリが指揮して以後に定着されたとのことです。
第5位:Ein Deutsches Requiem Op.45(作曲:Brahms)
ドイツの作曲家ヨハネス・ブラームス(Brahms)が作曲したオーケストラと合唱、およびソプラノ・バリトンの独唱による宗教曲。1868年に完成し、翌年1869年に初演された。全7曲で構成され、歌詞はドイツ語で書かれております。
通常レクイエムはカトリック教会において死者の安息を神に願う典礼音楽ですが、本作品は演奏会用作品として作曲。ブラームスは35歳にしてドイツ屈指の作曲家としての地位を確立しました。
第4位:A Little Jazz Mass(作曲:Chilcott)
ジャズテイストなラテン語による小ミサ曲です。グルーヴィーなキリエ、スウィングするグローリア、スローなサンクトゥス、軽快なベネディクトゥス、そしてブルージーなアニュス・デイの5曲で構成されています。
作曲したボブ・チルコットは1985年にキングズ・シンガーズに入り、12年間テナーを務めた後、作曲に集中するため1997年に脱退。これまでの合唱の概念に捉われず、前衛的な作品を多く作曲しており、世界中の合唱団から愛されています。
ピアノ譜もありますので、合唱コンクール等で披露するのもありかと思います。
第3位:An die Freude (From Symphnie Nr.9)(作曲:Beethoven)
言わずと知れた「楽聖」ベートーヴェン(Beethoven)が1824年に作曲した独唱と合唱を伴う交響曲第9番のヴォーカルスコアです。本作品は、多くの批評家や音楽学者によってベートーヴェンの最高傑作に位置付けられるだけでなく、西洋音楽史上最も優れた作品の一つに数えられております。
第4楽章の「歓喜」の主題は、欧州評議会においてはヨーロッパ全体をたたえる「欧州の歌」として、欧州連合(EU)においては連合における統一性を象徴するものとして採択されているとのこと。日本でも年末の風物詩としてよく演奏されます。合唱に馴染みの無い方も、是非、一生に一度は歌ってほしい名曲です。
第2位:A flower remembered[永遠の花](作曲:RUTTER, John)
イギリスの作曲家ジョン・ラターが、東日本大震災の被災者のために書き下ろした合唱曲です。ラター自身が日本の俳句のスタイルを意識して作った歌詞には、この災害のため遠くに去ってしまった人たちを「美しい花」にたとえ、「私たちはいつまでも忘れないよ。」という強いメッセージが込められているとのことです。
ラターらしい美しいメロディと豊かなハーモニー、そして流れるようなピアノ伴奏が加わって、誰もが一度聞いたら忘れない、そしてすぐに口ずさみたくなるような心あたたまる作品です。
第1位:Requiem K626(作曲:MOZART, W.A.)
本作品は、「神童」ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(MOZART, W.A.)が作曲したレクイエムです。モーツァルトの最後の作品であり、モーツァルトの死によって作品は未完のまま残され、弟子のフランツ・クサーヴァー・ジュースマイヤーにより補筆完成されました。しばしば、ヴェルディ、フォーレの作品とともに「三大レクイエム」の一つに数えられます。
未完のままモーツァルトは世を去りましたが、この作品が愛されているのは、モーツァルトが偉大であったからに他ならないと思います。
まとめ
以上、「株式会社パナムジカ」の販売実績から、合唱界で支持されている海外作品の上位10曲をまとめてみました。音楽の歴史を感じる名曲が多い点、大規模なオーケストラも含めた大曲が多いのが特徴的だと感じました。
日本人の作品も魅力ありますが、現代まで脈々と受け継がれている音楽を知ることも必要なのだと思います。是非、食わず嫌いにはならず、外国作品にも取り組んでいただければと思っております。
今後、時間があれば大編成ではなくアカペラ作品に絞ったランキングも作成できればと思います。
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