騎士道精神を武士道精神を持つ日本が圧倒。“エモい展開”ばかりのフェンシング!日本選手を越えていった強者を追って分かったこと【パリ五輪】

コラム

 パリオリンピックが閉幕した。イキイキと豊かに生きる為には、スポーツを通して得られるものも大きいという考えのもと、大会期間中は今まで触れてこなかった競技に注目してきたが、日本選手の目覚ましい活躍を見て大きな感動をいただいた。

 今回も、残念ながら日本のメダル獲得はできなかったが、日本を破った相手が見事メダルを獲得した競技にフォーカスし、イキイキと生きるヒントを探ってみる。なお、3回に分けた“個人競技”の最終回である。

注目した競技

競技名選手名最終順位勝った選手勝った選手の順位
フェンシング
(男子フルーレ)
飯村 一輝ベスト4 家朗金メダル
フェンシング
(男子エぺ)
山田 優ベスト8ヤニク・ボレル銀メダル
フェンシング
(男子エぺ)
見延 和靖ベスト16ヤニク・ボレル銀メダル
フェンシング
(女子サーブル)
福島 史帆実ベスト32オリガ・ハルラン銅メダル

フェンシング(男子フルーレ・エぺ/女子サーブル)

 今回、競技別の金メダル獲得数で世界1位という結果を出したフェンシング。1896年の近代オリンピックから現在まで毎年実施されている4競技の1つである伝統競技で日本選手が活躍する姿は誇らしい。そんなフェンシング競技において、日本選手を破った相手選手を調べてみたら、マンガでも描けないストーリーが見えてきた。

張 家朗(男子フルーレ)

 団体では金メダルを獲得した日本男子フルーレ。ベスト4まで進んだ飯村一輝選手を破ったのは、本大会で金メダルを獲得した香港の張家朗選手である。張家朗選手は、東京五輪でも金メダルを獲得しており、2大会連続で金メダルを獲得した強者。

 香港選手がオリンピック金メダルを獲得したのは1996年のアトランタオリンピック以来2人目の快挙であり、現役選手に与えられる最高位の賞である“シルバー・バウヒニア・スター”が授与香港のレジェンド的存在である。

ヤニク・ボレル(男子エぺ)

 見延和靖選手をベスト16、山田優選手をベスト8で破ったのは、今大会で銀メダルを獲得したフランスのヤニク・ボレル選手である。ヤニク・ボレル選手は長らくフランスの団体メンバーとして活躍しており、2016年のリオ五輪では団体金メダルを獲得している。個人でも世界選手権をはじめ、世界大会での優勝経験も持つ強者である。

 しかし、決勝では日本の加納幸樹選手が日本選手の仇を取る活躍で金メダルを獲得。トーナメントにおいては、このような“エモい展開”というのもある事を気付かされる。

オリガ・ハルラン(女子サーブル)

 福島史帆実選手を破って、本大会で銅メダルを獲得したのは、オリガ・ハルラン選手である。オリガ・ハルラン選手は現在33歳。北京五輪の女子サーブル団体で、当時17歳ながら獅子奮迅の活躍をし、金メダルを獲得する他、個人でもロンドン五輪・リオ五輪と2大会連続で銅メダルを獲得しているウクライナのレジェンド選手だ。

 また、女子サーブル団体では、オリガ・ハルラン選手も出場したウクライナが、北京五輪から16年ぶりの金メダル獲得。こちらも“エモい展開”となった。

まとめ

 今回のパリ五輪では、騎士道精神を体現しているフェンシング競技を武士道精神を持つ日本選手が圧倒した大会であった。そして…、

  • 男子エぺにおいて、日本人選手2名を破ったヤニク・ボレル選手を決勝で破り、金メダルを獲得した加納選手の登場。
  • 香港のオリンピック史上2人目の金メダリストであるレジェンド、張家朗選手が2大会連続で金メダルを獲得。
  • オリガ・ハルラン選手の祖国ウクライナの兵士に捧げる、北京五輪以来16年ぶりの女子サーブル団体金メダル獲得。

 “エモい展開”が多い競技であった。

 スポーツの面白さ・感動を与えるのは、このような“マンガでも書けないようなストーリー”が生まれる瞬間なのかもしれない。メダルを獲得した日本人選手も我々に感動を与えてくれたが、参加したどの国・選手にも同様の瞬間がたくさん生まれていた事を再認識した。

 今後もたくさんの感動をスポーツからもらい、イキイキと豊かに生きる為の源にしていければと思う。

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